「離婚したい」と思っても、何から始めればよいか分からず不安を抱えている方は多いはずです。離婚には相手の同意が必要なのか、子どもの親権はどう決まるのか、費用はどのくらいかかるのか――疑問は尽きません。この記事では、離婚するために必要な条件・手続きの流れ・費用・注意点まで、弁護士監修の情報をもとにわかりやすく解説します。協議離婚から裁判離婚まで、あなたの状況に合った方法が必ず見つかります。
【結論】離婚するために必要な3つの要件

離婚を成立させるには、大きく分けて3つの要件を満たす必要があります。
「離婚したい」という気持ちだけでは離婚は成立しません。法律上の手続きを正しく踏むことが不可欠です。
以下の3つを順に確認していきましょう。
①相手の同意または法的な離婚事由
日本の離婚制度では、夫婦双方が合意すれば協議離婚として成立します。
しかし、相手が同意しない場合でも、法律で定められた「法定離婚事由」があれば、裁判によって離婚が認められることがあります。
法定離婚事由とは、民法770条に規定された離婚を認める根拠となる事実のことです。(参照:e-Gov法令検索|民法)
相手の同意がある場合はスムーズに進みますが、拒否されている場合は証拠集めや法的手続きが必要になります。
②親権・財産分与など離婚条件の合意
離婚届を提出するだけでは不十分で、子どもがいる場合は必ず親権者を決める必要があります。
また、財産分与・養育費・慰謝料・面会交流など、離婚後の生活に直結する条件を事前に取り決めておくことが非常に重要です。
特に親権の決定は離婚届の必須記入事項であり、未記入では受理されません。
条件を口約束だけで済ませると後にトラブルになるケースが多いため、離婚協議書(できれば公正証書)として書面化することを強くおすすめします。
③離婚届の届出
上記の条件が整ったら、本籍地または所在地の市区町村役場に離婚届を提出することで、法律上の離婚が成立します。
離婚届には夫婦双方の署名と、成人の証人2名の署名が必要です。
調停・裁判で離婚が成立した場合は、調停調書・判決書を持参して届け出ます。届出の際、証人は不要です。
離婚するには3つの方法がある|協議・調停・裁判の違い

日本では離婚の方法は主に3つあります。それぞれ進め方・費用・期間が大きく異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
参考:手続きの種類・必要書類・注意点まで一括解説|ベンナビ離婚
協議離婚|話し合いで成立する最も一般的な方法
協議離婚とは、夫婦が話し合いによって離婚条件に合意し、離婚届を提出する方法です。
日本の離婚件数の約9割が協議離婚で成立しており、最も一般的な方法です。
メリットは費用が安く(役場への届出費用のみ)、スピーディーに進められること。
デメリットは、感情的な対立が激しい場合や相手が合意しない場合は進められないこと、また合意内容を書面化しないとトラブルになりやすいことです。
調停離婚|家庭裁判所で第三者を交えて話し合う
調停離婚とは、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚調停)」を申し立て、調停委員を交えて話し合いを進める方法です。
協議でまとまらない場合や、相手と直接話し合えない場合(DV・モラハラなど)に有効です。
申立費用は収入印紙1,200円+郵便切手代と比較的安価です。
ただし、調停は月1回ペースで開催され、解決まで平均6カ月〜1年程度かかる場合があります。
調停でも合意が得られない場合は、裁判離婚に移行します。
離婚調停の流れについては、以下の動画も参考になります。
裁判離婚|判決で離婚を認めてもらう最終手段
裁判離婚とは、調停でも合意が得られなかった場合に、裁判所に離婚の訴えを提起し、判決によって離婚を成立させる方法です。
裁判離婚では、法定離婚事由(民法770条)が認められる場合にのみ、判決で離婚が認められます。
費用は収入印紙代・弁護士費用を合わせると50万〜150万円程度かかることも多く、期間も1年〜2年以上に及ぶ場合があります。
精神的・経済的負担が大きいため、弁護士への依頼が実質的に必須といえます。
【図解】3つの離婚方法の比較一覧
以下に3つの離婚方法を費用・期間・特徴で比較した一覧表を示します。
| 方法 | 費用の目安 | 期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 協議離婚 | ほぼ無料〜数万円 | 数日〜数カ月 | 双方合意が必要。最短・最安 |
| 調停離婚 | 数千円〜数十万円 | 6カ月〜1年程度 | 第三者(調停委員)が介在 |
| 裁判離婚 | 50万〜150万円以上 | 1年〜2年以上 | 法定離婚事由が必要。最終手段 |

相手が同意しなくても離婚できる5つの法定離婚事由

相手が「離婚しない」と言っていても、民法770条に定められた法定離婚事由が存在すれば、裁判によって離婚が認められることがあります。
5つの法定離婚事由を詳しく見ていきましょう。(参照:e-Gov法令検索|民法第770条)
①不貞行為(浮気・不倫)
不貞行為とは、配偶者以外の異性と自由な意思で性的関係を持つことを指します。
離婚を認めてもらうためには、不貞行為があったことを証拠で立証する必要があります。
有効な証拠の例としては、次のようなものがあります。
- ホテルへの出入りを記録した写真・動画
- LINEやメールの浮気を示すやり取り
- 探偵(興信所)による調査報告書
- クレジットカードの明細(ホテル利用など)
なお、不貞行為があった場合は、離婚に加えて不貞相手への慰謝料請求(相場:50万〜300万円)も可能です。
②悪意の遺棄(生活費を渡さない等)
悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を履行しないことです。
具体的には以下のようなケースが該当します。
- 生活費を長期間渡さない
- 正当な理由なく家を出て別居を続ける
- 配偶者を自宅に帰宅させない
ただし、DVから逃れるための別居などは悪意の遺棄には当たりません。
証拠としては、家計のやり取りを記録した通帳・メモなどが有効です。
③3年以上の生死不明
配偶者が3年以上生死不明の状態が続いている場合は、法定離婚事由として認められます。
単に行方不明・連絡が取れないだけでは不十分で、生きているかどうかも分からない状態である必要があります。
警察への捜索願受理証明書や、家族・近隣住民の証言など、生死不明を示す資料の収集が重要です。
④回復の見込みのない強度の精神病
配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかっている場合も法定離婚事由となります。
ただし、裁判所は単に精神疾患があるだけでなく、「回復の見込みがない」という医師の診断や、離婚後の配偶者の療養・生活保護についても考慮します。
精神科・心療内科の診断書などを証拠として用意する必要があります。
⑤婚姻を継続しがたい重大な事由(DV・モラハラ等)
上記①〜④に該当しない場合でも、婚姻関係を継続することが著しく困難な重大な事由がある場合は離婚が認められます。
具体的には以下のようなケースが該当します。
- DV(身体的暴力)の継続
- モラハラ(精神的暴力・支配)
- 性的虐待
- ギャンブル依存・多額の借金
- 宗教活動への強制
- 長期間の別居(5〜10年以上)
DVやモラハラの証拠としては、診断書・傷の写真・録音・日記などが有効です。
【完全手順】離婚するまでの7ステップ

「離婚したい」と決意してから実際に成立するまで、どのように進めればよいか迷う方が多いです。
以下の7つのステップに沿って進めることで、スムーズかつ有利に離婚を進めることができます。

STEP1|離婚の意思を固め、証拠を集める
まず最初に、本当に離婚するかどうか自分の意思を固めることが重要です。
感情的な衝動で動いてしまうと、後悔や不利な条件での合意につながりかねません。
意思が固まったら、相手の不貞・DV・モラハラなどの証拠を集めておきましょう。
証拠は後から集めようとしても入手困難になることが多いため、相手に気づかれないうちに早めに確保することが大切です。
証拠の例:不倫の写真・動画、DVの診断書・傷の写真、録音データ、メール・LINEのスクリーンショットなど。
離婚前の準備について詳しくはこちらの動画も参考になります。
STEP2|夫婦の財産・収入を把握する
財産分与で不利にならないよう、婚姻期間中に形成した夫婦の財産(共有財産)を事前に把握しておきましょう。
調査対象となる財産の例は以下の通りです。
- 預貯金(銀行口座の残高・通帳)
- 不動産(自宅・投資物件)
- 株式・投資信託などの金融資産
- 退職金(将来受け取る予定を含む)
- 自動車・貴金属などの動産
相手が財産を隠す可能性もあるため、通帳のコピーや不動産登記簿謄本などを早めに確保しておくことが重要です。
STEP3|離婚条件(親権・養育費等)を整理する
交渉前に、自分が希望する離婚条件を整理しておきましょう。
決めるべき主な条件は次の通りです。
- 子どもの親権者(母親・父親どちらか)
- 養育費の金額と支払期間
- 財産分与の内容(不動産・預貯金の分け方)
- 慰謝料の有無と金額
- 面会交流の頻度・方法
条件の「最低ライン」と「理想ライン」を事前に設定しておくと、交渉の際に冷静に判断できます。
STEP4|配偶者に離婚を切り出す
離婚を切り出すタイミングと方法は慎重に選びましょう。
感情的になりやすい夜間や飲酒後は避け、落ち着いた状態で話せる時間・場所を選ぶことが重要です。
相手がDVやモラハラを行っている場合は、二人きりにならずに第三者の立会いを求めるか、弁護士を通じて連絡するのが安全です。
また、子どものいる前では切り出さないよう注意してください。
離婚の切り出し方については、以下の動画が参考になります。
STEP5|離婚条件を話し合い、合意する
双方が冷静に話し合い、離婚条件の合意形成を目指します。
交渉を有利に進めるためのポイントは以下の通りです。
- 証拠を手元に持ち、事実を根拠に交渉する
- 感情的な言葉を避け、冷静に話す
- 相場(養育費算定表・財産分与の原則)を事前に調べておく
- 合意内容は話し合いの場で文書化する
相手が感情的になったり話し合いが進まない場合は、一旦持ち越しや弁護士への依頼も選択肢に入れましょう。
STEP6|離婚協議書を作成する(公正証書がおすすめ)
口頭での合意だけでは後のトラブルの元になるため、離婚協議書を必ず作成しましょう。
さらに、離婚協議書を公正証書として作成しておくことを強くおすすめします。
公正証書にすることで、養育費などの支払いが滞った際に裁判を経ずに強制執行(給与差押え等)ができます。
公正証書の作成費用は、財産の額に応じて異なりますが、おおよそ1万〜5万円程度が目安です。

STEP7|離婚届を提出して離婚成立
全ての条件が整ったら、市区町村役場に離婚届を提出します。
提出の受付は365日24時間対応している役場が多いですが、夜間・休日は時間外窓口への提出となります(内容審査は翌営業日以降)。
離婚届が受理された時点で法律上の離婚が成立します。
離婚するには何を決める?必ず合意すべき5つの条件

離婚に際して決めるべき条件は多岐にわたります。
特に子どもがいる場合は取り決めが多く複雑になるため、それぞれの内容を正確に理解しておきましょう。
親権|子どもと暮らす権利の決め方
親権とは、子どもを監護・養育し、財産管理や法律行為の代理を行う権利と義務のことです。
日本では離婚後、どちらか一方が親権者となります(単独親権制度。ただし2026年4月1日より共同親権制度が導入されます)。
親権者の決め方は、まず夫婦の話し合い→合意できなければ調停→調停でも解決しない場合は裁判所が判断します。
裁判所が親権者を判断する際の主な基準は以下の通りです。
- これまでの主たる養育者はどちらか
- 子どもの年齢・意思(15歳以上は意見を聴取)
- 生活環境の安定性
- 兄弟姉妹の分離を避けられるか
養育費|金額の相場と支払い期間
養育費とは、子どもを監護する親(監護親)が非監護親に請求できる子どもの生活・教育費用です。
養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」を参考に、双方の収入に応じて決定するのが一般的です。(参照:裁判所|養育費算定表)
相場の目安は以下の通りです(子ども1人の場合)。
- 双方の年収が300万円程度:月2〜4万円
- 支払う側の年収が500万円程度:月4〜6万円
- 支払う側の年収が700万円以上:月6〜8万円以上
支払い期間は原則として子どもが20歳になるまで(大学進学を見込む場合は22歳まで等の取り決めも可能)。
財産分与|夫婦の財産を分ける方法
財産分与とは、婚姻中に夫婦が共同で築いた財産(共有財産)を離婚時に分配することです。
原則として2分の1ずつ(2分の1ルール)で分けるのが基本となっています。
対象となる主な財産は以下の通りです。
- 婚姻中に貯めた預貯金
- 婚姻中に購入した不動産・自動車
- 婚姻中に積み立てた生命保険の解約返戻金
- 婚姻中に積み立てた退職金(在職中でも按分可能)
なお、婚姻前から持っていた財産や、相続・贈与で取得した財産(特有財産)は分与対象外です。
財産分与の請求権は離婚成立から5年間(2026年4月1日施行の民法改正による。同日より前に離婚が成立した場合は2年間)で時効となるため注意が必要です。
慰謝料|請求できるケースと相場
慰謝料とは、相手の有責行為(精神的損害を与えた行為)に対して請求できる損害賠償です。
慰謝料を請求できる主なケースは以下の通りです。
- 不貞行為(浮気・不倫)
- DV・モラハラ
- 悪意の遺棄
相場は事案の内容・婚姻期間・子どもの有無などによって異なりますが、50万〜300万円程度が一般的です。
慰謝料請求権は離婚成立から3年(または不法行為を知ってから3年)で時効となります。
面会交流|離れて暮らす親と子の関わり方
面会交流とは、親権を持たない親が定期的に子どもと会って交流する権利です。
面会交流は子どもの権利でもあり、原則として取り決めることが推奨されています。
取り決めの内容は、頻度(月1回等)・時間・場所・宿泊の有無などを具体的に決めておくとトラブルを防げます。
ただし、DVや子どもへの虐待があるケースでは、子どもの安全を優先して面会交流を制限・禁止することもできます。
離婚届の書き方と必要書類

離婚届は協議離婚の最終ステップとなる重要書類です。
記入ミスや書類不足があると受理されないため、事前に確認しておきましょう。
離婚届の入手方法(役場・ダウンロード)
離婚届は以下の方法で入手できます。
- 市区町村役場の窓口で無料配布(全国どの役場でも可)
- 法務省ホームページからPDFをダウンロードして印刷(参照:法務省|離婚届)
用紙はA3サイズが原則ですが、自治体によって異なる場合があります。
離婚届の記入項目と書き方のポイント
離婚届の主な記入事項は以下の通りです。
- 夫・妻の氏名・生年月日・住所・本籍
- 離婚の種別(協議・調停・裁判等)
- 未成年の子の氏名・親権者(必須)
- 婚姻前の氏に戻るかどうか
- 新しい本籍地(希望する場合)
- 証人2名の署名・印鑑
鉛筆・消えるボールペンは使用禁止。必ず消えないボールペンまたは万年筆で記入してください。

届出に必要な書類一覧
協議離婚の場合に必要な書類は以下の通りです。
- 離婚届(記入・押印済み)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
- 戸籍謄本(本籍地以外の役場に提出する場合)
調停・裁判離婚の場合は、上記に加えて調停調書謄本または判決書正本と確定証明書が必要です。
印鑑は不要(旧:認印が必要でしたが廃止)。ただし自治体によって異なる場合があるため事前確認をおすすめします。
証人は誰に頼む?条件と頼み方
協議離婚では、成人2名の証人の署名が必要です。
証人になれる人の条件は「成年に達した者」であれば誰でも可能です。
一般的には親・兄弟・友人・知人などに依頼します。
なお、証人に頼みにくい場合は行政書士に有料(数千円〜1万円程度)で依頼することも可能です。
相手が離婚に応じないときの対処法

相手が離婚を拒否している場合でも、適切な手順を踏むことで離婚を成立させることができます。
以下の対処法を順に検討してみましょう。
まずは別居を検討する
相手が離婚に応じない場合、まず別居することが有効な手段の一つです。
別居期間が5〜10年以上に及ぶと、「婚姻を継続しがたい重大な事由」として裁判で離婚が認められやすくなります。
ただし、別居前に子どもの生活費・住居の確保をしっかり計画してから行動することが大切です。
別居中も婚姻費用(生活費)の支払い義務は継続するため、相手に婚姻費用の分担を請求できます。(参照:e-Gov法令検索|民法第760条)
離婚調停を申し立てる
相手と直接の話し合いが難しい場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう。
調停では調停委員(中立な第三者)が間に入るため、冷静に話し合いを進めやすくなります。
申立費用は収入印紙1,200円と郵便切手代のみと安価です。
申立先は相手の住所地を管轄する家庭裁判所となります。(参照:裁判所|夫婦関係調整調停)
弁護士に交渉を依頼する
相手が強硬に離婚を拒否している場合や、DVや財産隠しのリスクがある場合は、早めに弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士が代理人として相手と交渉することで、直接顔を合わせることなく手続きを進められます。
また、弁護士への依頼は調停・裁判での有利な結果を得るうえでも大きなメリットがあります。
離婚でやってはいけない5つのNG行動

離婚を進める際に、知らずにやってしまうと自分が不利になるNG行動があります。
以下の5つは特に注意が必要です。
①感情的になって暴言・暴力をふるう
離婚交渉中に感情的になって暴言・暴力をふるうと、自分が有責配偶者になってしまいます。
相手に録音・録画されてしまうと、慰謝料請求の証拠として使われるリスクがあります。
どんなに相手に非があっても、冷静な対応を心がけましょう。
②勝手に家を出る(悪意の遺棄リスク)
相手の同意なしに突然家を出ると、「悪意の遺棄」とみなされるリスクがあります。
特に子どもを連れずに出た場合、親権争いで不利になる可能性があります。
やむを得ず別居する場合は、弁護士に相談してから行動することをおすすめします。
③財産を隠す・使い込む
財産分与を少なくしようと預貯金を隠したり使い込んだりするのは厳禁です。
相手側の弁護士や裁判所が財産調査(弁護士照会・調査嘱託)を行うと発覚します。
発覚した場合は、不誠実な態度として裁判官・調停委員の心証が著しく悪化します。
④子どもを無断で連れ去る
相手の同意なしに子どもを連れ去る行為は、親権争いで著しく不利になるだけでなく、未成年者略取罪(刑法224条)に問われる可能性もあります。
国際的にはハーグ条約の問題にもなりえるため、絶対に避けましょう。
⑤SNSで離婚を公表する
離婚交渉中や離婚前にSNSで相手への不満・離婚の状況を発信するのは危険です。
投稿内容が証拠として使われたり、相手の名誉毀損として逆に訴えられたりするリスクがあります。
離婚が完全に成立するまでは、SNSでの発信は控えることを強くおすすめします。
弁護士に相談すべきケースと費用相場

離婚をすべて自分で進められるケースもありますが、状況によっては弁護士への依頼が不可欠です。
以下で自分で進められるケースと弁護士に依頼すべきケースを整理します。
自分で進められるケース
以下の条件が揃っている場合は、弁護士なしでも協議離婚を進めることが可能です。
- 双方が離婚に合意している
- 子どもがいない、または親権・養育費に争いがない
- 財産が少なく財産分与が複雑でない
- 慰謝料の請求がない
- 相手との直接交渉が可能
弁護士に依頼すべきケース
以下のようなケースでは、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
- 相手がDV・モラハラを行っており安全に話し合えない
- 親権・養育費について激しく対立している
- 不動産・退職金など高額な財産分与がある
- 相手が離婚を拒否して調停・裁判が必要になった
- 不貞行為があり慰謝料を請求・請求された
- 相手の弁護士から連絡が来た
弁護士費用の相場(着手金・成功報酬)
弁護士費用は事務所・事案の複雑さによって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
| 費用の種類 | 相場 |
|---|---|
| 法律相談料 | 無料〜1時間1万円程度 |
| 協議離婚の着手金 | 20万〜40万円程度 |
| 調停離婚の着手金 | 20万〜50万円程度 |
| 裁判離婚の着手金 | 30万〜60万円以上 |
| 成功報酬 | 10万〜30万円+経済的利益の10〜20%程度 |
費用が心配な場合は、後述の法テラス(日本司法支援センター)の審査を通過すれば立替制度を利用できます。
離婚の無料相談窓口3選
離婚に関する悩みを抱えているが費用が心配な方に向けて、無料または低コストで利用できる相談窓口を3つ紹介します。
法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内機関です。
収入・資産が一定基準以下の方は、弁護士・司法書士への無料法律相談(3回まで)および弁護士費用の立替制度(審査あり)を利用できます。
電話:0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)
詳細は公式サイトをご確認ください:法テラス公式サイト
市区町村の無料法律相談
多くの市区町村が弁護士による無料法律相談を定期的に開催しています。
予約制の場合が多く、相談時間は1人30分程度が一般的です。
お住まいの市区町村の公式サイトや窓口に問い合わせてみてください。
弁護士会の法律相談
各都道府県の弁護士会でも有料(30分5,500円程度)で法律相談を実施しています。
弁護士費用の相談や、どの弁護士に依頼すべきか分からない場合でも気軽に相談できます。
詳細は日本弁護士連合会の公式サイトから各地の弁護士会を検索できます。
離婚に関するよくある質問(FAQ)
離婚手続きに関してよく寄せられる疑問にお答えします。
Q. 離婚届は郵送で提出できる?
A:郵送での提出は可能です。ただし、書類の不備があっても修正できないリスクがあるため、事前に役場に電話で確認してから送付することをおすすめします。なお、郵送の場合も本籍地または所在地の役場に送ります。
Q. 離婚届を勝手に出されないようにするには?
A:相手が勝手に離婚届を提出することを防ぐには、「離婚届不受理申出」を本籍地の役場に提出しましょう。申出をしておくと、本人が窓口で確認しない限り離婚届は受理されません。申出は無料で、いつでも取り下げ可能です。(参照:法務省|離婚届)
Q. 別居中でも離婚届は出せる?
A:別居中でも協議離婚は可能です。夫婦双方が署名した離婚届と証人2名の署名があれば、どちらか一方が役場に提出できます。ただし、相手の所在が不明な場合は協議離婚は難しく、調停・裁判が必要になります。
Q. 離婚にかかる期間はどのくらい?
A:協議離婚なら最短数日〜数カ月で成立することがあります。調停離婚は平均6カ月〜1年程度、裁判離婚は1年〜2年以上かかることが多いです。状況の複雑さや相手の対応次第で期間は大きく変わります。
Q. 離婚届を出した後にやることは?
A:離婚届提出後にやるべきことは多岐にわたります。主なものは以下の通りです。
- 氏名変更(旧姓に戻す場合)の各種手続き(免許証・パスポート・銀行口座等)
- 子どもの戸籍変更(子どもを自分の戸籍に入れるには家庭裁判所への申立てが必要)
- 住民票・マイナンバーカードの変更
- 健康保険・年金の変更手続き
- 公正証書に基づく養育費・財産分与の受領確認
離婚後の手続きについては以下の動画が参考になります。
まとめ|離婚するには「準備」と「正しい手順」が重要
この記事で解説してきた内容を振り返ります。
- 離婚には3つの要件(相手の同意または法定離婚事由・条件の合意・離婚届の届出)が必要です。
- 離婚の方法は協議・調停・裁判の3種類があり、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
- 親権・養育費・財産分与・慰謝料・面会交流は事前にしっかり決め、公正証書として残しましょう。
- 感情的な行動やNG行為(財産隠し・子どもの無断連れ去り等)は自分が不利になるため絶対に避けてください。
- 相手が同意しない・DV・財産が複雑なケースでは、早めに弁護士に相談することが最善策です。
離婚は人生の大きな決断であり、感情的になりがちなプロセスです。
しかし、正しい知識と準備があれば、必要以上に不利な条件を飲まされることなく、新しいスタートを切ることができます。
一人で悩まず、まずは法テラスや弁護士会の無料相談を活用して専門家に相談することをおすすめします。
離婚の全体的な流れについては以下の動画もぜひ参考にしてみてください。


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