「離婚したいけれど、自分の理由で本当に離婚できるのだろうか」「慰謝料や親権にどう影響するのか知りたい」――そんな不安を抱えている方は少なくありません。本記事では、司法統計データに基づく男女別離婚理由ランキングTOP10を紹介します。民法770条の法定離婚事由、慰謝料・親権への影響、子どもへの伝え方まで網羅的に解説します。弁護士監修のもと、正確かつ実践的な情報をお届けします。
【結論】離婚理由で最も多いのは「性格の不一致」|約40%を占める

日本における離婚理由の中で、圧倒的に多いのが「性格の不一致」です。
裁判所の司法統計をもとにした各調査によれば、男女ともに「性格の不一致」が離婚理由の第1位を占め、全体の約35〜40%に上るとされています。
約35〜40%という数字は浮気や暴力といったわかりやすい「有責行為」よりもはるかに高い割合であり、現代の離婚の多くが「関係の慢性的な悪化」を背景にしていることを示しています。
司法統計データが示す離婚原因の実態
裁判所が公表する司法統計によると、調停離婚・審判離婚における申立理由(複数回答)の上位は以下のとおりです。
- 性格の不一致(異性・価値観の相違):約35〜40%
- 精神的虐待(暴言・無視・モラハラ):約25〜30%
- 異性関係(不貞行為):約15〜20%
- 生活費を渡さない:約10〜15%
- 肉体的暴力(DV):約10〜15%
なお、司法統計は調停・審判を経た離婚のデータであり、協議離婚(当事者間の話し合い)のデータは含まれていません。
日本の離婚のうち約87〜88%は協議離婚で成立しているため、実際の「離婚理由」の全体像は統計よりも多様である点に留意が必要です。
参考:離婚原因ランキング、トップは意外にも・・・【弁護士が解説】
この記事でわかること
この記事を読むことで、以下の情報を得ることができます。
- 男女別の離婚理由ランキングTOP10と統計データ
- 「性格の不一致」の具体的な内容と法的な扱い
- 民法770条に定める法定離婚事由(5項目)の詳細
- 離婚理由別の慰謝料・親権への影響
- 離婚理由を言いたくない・嘘をつきたい場合の注意点
- 子どもへの離婚理由の伝え方(年齢別)
- 自分の離婚理由で離婚できるかのセルフチェック
【男女別】離婚理由ランキングTOP10|統計データで徹底比較

離婚理由は男女で大きく異なります。女性は「精神的苦痛」「経済的問題」を重視し、男性は「性的不満」「家族関係」を挙げる傾向があります。
以下では、各種調査・司法統計をもとに男女別のランキングを整理します。
【女性側】妻が離婚を決意する理由TOP10
女性が離婚を決意する理由は、「精神的・身体的苦痛」と「経済的問題」が上位を占める特徴があります。
- 性格の不一致(約36〜38%):価値観・生活習慣・将来設計の違い
- 生活費を渡さない(約25〜29%):経済的DVを含む
- 精神的虐待(約26〜30%):モラハラ・暴言・無視・支配
- 肉体的暴力(DV)(約15〜19%):身体的暴力・恐怖による支配
- 異性関係(不貞行為)(約13〜20%):配偶者の浮気・不倫
- 性的不満(約6〜8%):セックスレス・性的強要
- 家族(親族)の問題(約5〜7%):義両親との不和・干渉
- 浪費・借金(約5〜7%):ギャンブル・無計画な借金
- 家事・育児不参加(約4〜6%):ワンオペ育児・家事放棄
- アルコール・薬物依存(約3〜5%):依存症による生活破綻
女性の離婚理由の特徴として、日常的な苦痛の蓄積が離婚の引き金になることが多い点が挙げられます。
参考:【弁護士監修】離婚の原因ランキングTOP10!男女別の理由・離婚への影響
【男性側】夫が離婚を決意する理由TOP10
男性が離婚を決意する理由は、女性と比較すると「性的問題」「家族関係」「自由への欲求」が上位に入る傾向があります。
- 性格の不一致(約38〜40%):価値観・生活観の相違
- 異性関係(妻の不貞)(約15〜20%):妻の浮気・不倫
- 精神的虐待(約15〜18%):妻からのモラハラ・暴言
- 性的不満(約10〜13%):セックスレス
- 家族(親族)の問題(約8〜10%):妻の実家との干渉・妻の親の介護拒否
- 浪費・借金(約6〜9%):妻の浪費・隠れた借金
- 肉体的暴力(約4〜6%):妻からのDV(近年増加傾向)
- 家事・育児の問題(約4〜6%):家庭機能の著しい低下
- 精神疾患・アルコール依存(約3〜5%):回復の見込みがない状態
- 労働意欲の欠如(約2〜4%):働かない・収入への無関心
男性の離婚理由では、「妻への不満の言語化の難しさ」から「性格の不一致」という包括的な表現に集約されやすい傾向も指摘されています。
【図解】男女で異なる離婚理由の傾向と特徴
男女の離婚理由を比較すると、以下のような傾向の違いが浮かび上がります。
| 項目 | 女性(妻) | 男性(夫) |
|---|---|---|
| 最多理由 | 性格の不一致 | 性格の不一致 |
| 2位以降の特徴 | 精神的虐待・経済的DV・肉体的暴力 | 不貞行為・性的不満・家族関係 |
| 離婚決断のタイミング | 長期間の苦痛蓄積後 | 特定のきっかけ(不貞発覚など) |
| 経済的問題 | 上位(生活費問題が深刻) | 中位(浪費問題) |
| 暴力・虐待 | 上位(被害者が多い) | 下位(被害者は少数だが増加傾向) |

男女共通して「性格の不一致」が第1位である一方、女性は「被害者としての離婚」、男性は「不満の蓄積による離婚」という構図が統計から読み取れます。
「性格の不一致」とは?最多の離婚理由を徹底解説

「性格の不一致」は最も多く挙げられる離婚理由ですが、具体的な内容は非常に幅広く、「なんとなく合わない」から「根本的な価値観の相違」まで多岐にわたります。
法律上は独立した離婚事由として定義されているわけではなく、実態としては様々な問題が「性格の不一致」という言葉に集約されています。
性格の不一致に含まれる具体的な問題7パターン
「性格の不一致」として離婚理由に挙げられる具体的な問題には、以下の7パターンがあります。
- 価値観・人生観の相違:お金の使い方、子育て方針、宗教観、将来設計が根本的に異なる
- コミュニケーション不全:会話がない、話し合いができない、感情表現の差が大きい
- 生活習慣の不一致:起床・就寝時間、整理整頓の基準、食事の好みなど日常的なズレの蓄積
- 家事・育児への意識の差:負担の偏り、育児参加への温度差
- 性格・気質の根本的な相違:内向的・外向的、几帳面・大雑把など、生来の気質の衝突
- 友人関係・社交スタイルの違い:人付き合いの頻度・スタイルの相違
- 将来の夢・目標の方向性の違い:住む場所、転職、海外移住など人生の選択肢が合わない
上記の問題は単独では小さな問題に見えても、積み重なることで修復不可能な関係悪化につながるケースが多いとされています。
「性格の不一致」だけで離婚できる?できない?
結論から言えば、「性格の不一致」だけで裁判上の離婚(裁判離婚)を勝ち取ることは原則として難しいとされています。
民法770条が定める法定離婚事由(後述)には「性格の不一致」という項目は存在しません。
ただし、同条第5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があり、性格の不一致が長期間・深刻な状態に及んでいる場合は認められることがあります。
一方、協議離婚や調停離婚であれば、「性格の不一致」を理由として双方が合意すれば離婚は成立します。
日本の離婚の約88%は協議離婚で成立しており、協議離婚の多くが「性格の不一致」を理由としている実態があります。
参考:離婚は理由がないとできない?成立させるポイント・対処法など
性格の不一致を理由にした離婚の進め方
性格の不一致を理由に離婚を進める場合、以下の手順を踏むことが一般的です。
- 協議離婚を試みる:まず夫婦間で話し合い、双方が合意できれば離婚届を提出するだけで離婚成立
- 調停離婚を申し立てる:話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員が間に入って合意を目指す
- 審判・裁判離婚へ移行する:調停が不成立の場合、審判または離婚訴訟に移行するが、訴訟の段階では法定離婚事由が必要となる
性格の不一致の場合、できる限り協議・調停の段階で解決することが現実的です。
相手が離婚に応じない場合は、弁護士に相談して交渉戦略を立てることをお勧めします。
法的に認められる離婚理由とは?民法770条の5項目

相手が離婚に応じない場合、最終的には裁判(離婚訴訟)で離婚を求めることになります。
裁判で離婚が認められるためには、民法第770条に定める法定離婚事由が必要です。
法定離婚事由は以下の5つです。
①不貞行為(浮気・不倫)
不貞行為とは、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて性的関係を結ぶことと定義されています(最判昭和48年11月15日)。
不貞行為が認められるための要件は以下のとおりです。
- 肉体的な関係(性的行為)があること
- 配偶者以外の者との行為であること
- 自由な意思に基づくこと(強制された場合は除く)
なお、キスや手をつなぐ程度では不貞行為とは認められないのが原則ですが、状況によっては「婚姻を継続し難い重大な事由」(第5号)に該当する可能性があります。
不貞行為の証拠としては、ホテルへの出入りの写真・動画、メッセージ履歴、探偵(興信所)の調査報告書などが有効です。
②悪意の遺棄
悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助の義務を履行しないことを指します。
具体的には以下のような行為が該当します。
- 正当な理由なく家を出て別居し、生活費を渡さない
- 働ける状態にもかかわらず、生活費を一切渡さない
- 配偶者の看病や介護を拒否して放置する
- 同居を拒否し続ける
ただし、DVや虐待から逃れるための別居は「正当な理由」があるとして悪意の遺棄には該当しません。
参考:早期に離婚をしたいが、離婚理由がない – 弁護士法人グレイス
③3年以上の生死不明
配偶者の生死が3年以上にわたって不明な場合、裁判で離婚が認められます。
「生死不明」とは単に行方不明・連絡不通であるだけでなく、生きているか死んでいるかが不明であることが条件です。
生死不明による離婚を認めてもらうには、警察への届出・消息の調査など、生死を確認しようとする相当な努力をしたことの証明が必要とされます。
なお、生死不明が7年以上続く場合は「失踪宣告」の申立が可能で、死亡したものとみなされ婚姻関係が解消されます。
④回復の見込みがない強度の精神病
配偶者が回復の見込みがない強度の精神病にかかっている場合、離婚事由となります。
ただし、精神病による離婚事由は非常に厳格に解釈されており、以下の要件が求められるのが特徴です。
- 強度の精神病(統合失調症など、婚姻生活を維持できないほどの状態)であること
- 回復の見込みがないと医学的に判断されること
- 療養・離婚後の生活について相当の配慮がなされていること
うつ病・適応障害・発達障害などは、一般的には精神病による離婚事由には該当しないとされています。
裁判所は離婚を認めるにあたって、残された配偶者が路頭に迷わないよう配慮することを求めており、認められるハードルは高いとされています。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由
①〜④に当てはまらない場合でも、婚姻関係が破綻していると認められる重大な事由があれば離婚が認められる可能性があります。
具体的に該当し得る事例は以下のとおりです。
- 長期間・繰り返しのDV(身体的・精神的暴力)
- 重篤なモラルハラスメント(精神的虐待)
- ギャンブル・アルコール・薬物依存症による生活破綻
- 犯罪行為による長期服役
- 宗教活動への過度な傾倒による家庭崩壊
- セックスレス(長期間・相手が改善を拒否している場合)
- 性格の不一致が極めて深刻で長期にわたる場合
第5号の事由は包括条項として機能しており、個々の事案の具体的な事情に応じて裁判所が判断します。
参考:離婚に必要な5つの理由 | 離婚問題を弁護士へ相談するなら
離婚理由別|慰謝料・親権への影響早見表

離婚理由によって、慰謝料の発生有無や親権への影響が異なります。
自分のケースに当てはめて確認することで、今後の方針を立てる参考になります。
慰謝料が発生する離婚理由・しない離婚理由
慰謝料とは、相手の有責行為(故意または過失による不法行為)によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。
| 離婚理由 | 慰謝料 | 目安金額 |
|---|---|---|
| 不貞行為(浮気・不倫) | ◎ 発生する | 50万〜300万円程度 |
| DV(身体的暴力) | ◎ 発生する | 50万〜200万円程度 |
| 精神的虐待(モラハラ) | ○ 発生し得る | 30万〜200万円程度 |
| 悪意の遺棄 | ○ 発生し得る | 50万〜200万円程度 |
| 性格の不一致(双方責任なし) | △ 原則発生しない | - |
| セックスレス(一方的拒否) | △ ケースによる | 30万〜100万円程度 |
| 3年以上の生死不明 | × 原則発生しない | - |
| 強度の精神病 | × 原則発生しない | - |
慰謝料はあくまでも有責行為に対する賠償であるため、「性格の不一致」のように双方に明確な非がない場合は原則として請求できません。
ただし、性格の不一致の背景に相手の有責行為(モラハラ・DV・浮気など)が潜んでいるケースも多く、弁護士に相談して有責行為の有無を確認することが重要です。

親権判断に離婚理由は影響するのか
結論から言えば、離婚理由(有責行為の有無)は親権の判断に直接影響しないのが原則です。
親権の判断基準は「子どもの福祉・利益」であり、主な判断要素は以下のとおりです。
- これまでの主たる養育者は誰か
- 子どもの意思(特に10歳以上の場合)
- 経済的な安定性
- 兄弟姉妹との分離を避けること
- 子どもの生活環境の継続性・安定性
ただし、DVや育児放棄など、子どもへの影響が直接的な有責行為は親権判断に不利に働くことがあります。
浮気をした側でも、養育実績や子どもへの愛情が認められれば親権を得られるケースがあり、「浮気をしたから親権を取れない」というわけではありません。
有責配偶者からの離婚請求は認められる?
有責配偶者とは、自ら婚姻関係を破綻させた原因を作った配偶者のことです(例:不貞行為をした側など)。
原則として、有責配偶者からの離婚請求は認められないとするのが判例の立場です(最大判昭和62年9月2日)。
ただし、以下の3要件をすべて満たす場合は、例外的に認められることがあります。
- 別居期間が相当程度の長期間に及んでいること(目安:10年以上)
- 未成熟な子どもがいないこと
- 相手が離婚により精神的・社会的・経済的に苛酷な状態に置かれないこと
有責配偶者の立場から離婚を求める場合、相手に対する十分な経済的補償(財産分与・慰謝料)の提示が現実的なアプローチとなります。
参考:離婚が認められる4つの条件とは?注意点や離婚が認められない場合
離婚理由を「言いたくない」「嘘をつきたい」場合の注意点

離婚を進めるうえで、「本当の理由を相手や第三者に伝えたくない」という方は少なくありません。
ここでは、離婚理由の開示義務と嘘をつくリスクについて解説します。
離婚届に理由を書く必要はある?
結論として、協議離婚の場合、離婚届に離婚理由を記載する必要はありません。
離婚届には「離婚の種別」(協議・調停・審判・裁判)を記載する欄はありますが、具体的な理由を書く欄は設けられていません。
ただし、調停・審判・裁判の場合は申立書や訴状に離婚理由を記載する必要があり、裁判では法定離婚事由の立証が求められます。

嘘の離婚理由を伝えるリスク
相手や調停委員・裁判官に嘘の離婚理由を伝えることには、以下のようなリスクがあります。
- 調停・裁判での信用失墜:虚偽が発覚した場合、自身の主張全体の信頼性が損なわれる
- 財産分与・慰謝料交渉への悪影響:虚偽の事実を主張した場合、不利な条件での合意を強いられる可能性
- 悪意の遺棄・有責行為の虚偽申告:相手に存在しない有責行為を主張した場合、名誉毀損・損害賠償のリスク
- 子の監護権・親権への影響:虚偽の事実が子どもに関わる手続きに影響する可能性
嘘の離婚理由は短期的に有利に見えても、長期的には大きなリスクを伴います。
本当の理由を言わずに離婚する方法
本当の理由を詳細に開示せずに離婚を進める方法としては、以下が挙げられます。
- 協議離婚で「性格の不一致」を理由とする:双方が合意すれば理由の詳細を問われない
- 弁護士を代理人に立てる:直接相手と交渉せず、弁護士を通じて離婚条件を調整できる
- 調停の場で詳細な開示を最小限にする:調停は非公開であり、開示の範囲をある程度コントロールできる
なお、自分に有利な条件(慰謝料・財産分与など)を求める場合は、請求の根拠となる事実を適切に主張する必要があり、慰謝料・財産分与の請求には弁護士のサポートが不可欠です。
子どもに離婚理由をどう伝える?年齢別の説明ポイント

離婚を決意した際、子どもへの説明は多くの親が頭を悩ませる問題です。
子どもの年齢・発達段階に合わせた説明が、子どもの心理的安定に重要です。
共通して守るべきポイントは、①子どものせいではないことを明確に伝える、②どちらの親もあなたを愛していることを伝える、③相手の親の悪口を言わないの3点です。
未就学児への伝え方
未就学児(0〜6歳)は、離婚の概念を理解することは難しいですが、「家族の変化」を敏感に感じ取ります。
- シンプルな言葉で伝える:「パパとママは離れて暮らすことにしたよ。でもふたりともあなたのことが大好きだよ」
- 生活の変化を具体的に説明する:「これからはこのおうちで暮らすよ」「パパには〇〇の日に会えるよ」
- 繰り返し同じ言葉で安心させる
幼児期では離婚理由の詳細は伝える必要はなく、「自分は愛されている・安全である」という感覚を保つことが最優先です。
小学生への伝え方
小学生(7〜12歳)は物事の因果関係を理解し始めるため、「なぜ」という疑問を持つようになります。
- 「パパとママはうまく一緒に生活できなくなったけど、あなたのことは変わらず大切に思っている」など、理由を年齢に合わせて説明する
- 自分のせいではないことを繰り返し強調する(小学生は自分を責めやすい)
- 学校生活・友人関係など、生活の継続性を保証する
離婚理由の詳細(不倫・DV等)を伝える必要はなく、「大人の問題」であることを伝え、子どもに心理的負担を与えない配慮が重要です。
中学生・高校生への伝え方
中学生・高校生(13〜18歳)は、離婚の意味を理解できる年齢です。
ある程度の事実を伝えることが、子どもの理解と信頼につながりますが、一方の親を傷つけるような情報は控えるべきです。
- 「価値観の違いが積み重なって、一緒に生活し続けることが難しくなった」など率直かつ中立的な説明をする
- 子どもの意見・感情を十分に聞く時間を設ける
- 進学・生活費など具体的な生活設計について安心させる
- どちらの親にも会えることを保証し、子どもが板挟みにならないよう配慮する
不貞行為などの詳細な有責事実については、子どもが強く聞いてきた場合も含め、傷つける情報は慎重に扱うべきです。

「自分の離婚理由で離婚できる?」セルフチェックリスト

離婚を検討している方が、自分のケースで離婚が可能かどうかを確認するためのセルフチェックリストです。
以下の質問に「はい」「いいえ」で回答してください。
- 【Q1】配偶者が浮気・不倫をしていることを確認した証拠がある(写真・メッセージ等)
- 【Q2】配偶者から継続的な身体的暴力(DV)を受けている
- 【Q3】配偶者から継続的な精神的虐待(モラハラ・暴言・無視)を受けている
- 【Q4】配偶者から生活費をもらえず、経済的に追い詰められている
- 【Q5】配偶者と別居しており、別居期間が1年以上に及んでいる
- 【Q6】配偶者と価値観・生活習慣・将来設計が根本的に合わない状態が数年以上続いている
- 【Q7】配偶者との婚姻関係はすでに実質的に破綻していると感じている
- 【Q8】配偶者が離婚に合意している(または合意する可能性がある)
チェック結果別|次に取るべきアクション
【Q1〜Q4のいずれかが「はい」】:法定離婚事由または有責行為による慰謝料請求の可能性があります。証拠を保全したうえで、早急に弁護士に相談しましょう。
【Q5〜Q7が「はい」、Q1〜Q4が「いいえ」】:「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。協議・調停での解決を検討しつつ、弁護士への相談をお勧めします。
【Q8のみ「はい」】:相手が合意しているならば、協議離婚が最も円滑です。財産分与・養育費など離婚条件を取り決め、離婚届を提出することで手続きが完了します。
【すべて「いいえ」】:現時点では法的に離婚を強制する根拠が弱い状態です。まず弁護士に相談し、どのような方法で離婚を実現できるかを検討してください。
離婚理由を整理したら最初にやるべき3つのこと

「離婚したい」という気持ちが固まったら、感情的になる前に冷静に準備を進めることが、離婚手続きをスムーズにする鍵です。
最初にやるべき3つのアクションを解説します。
①自分の気持ちと状況を整理する
まず、「なぜ離婚したいのか」「離婚後にどんな生活を望んでいるのか」を紙に書き出して整理しましょう。
感情だけで行動すると、後から「こうしておけばよかった」という後悔につながることがあります。
整理すべき項目は以下のとおりです。
- 離婚を決意した具体的な理由と出来事(日時・内容を記録)
- 離婚後の居住場所・収入のめど
- 子どもがいる場合:親権・養育費・面会交流の希望
- 財産分与・慰謝料の有無についての初期見解
②証拠・記録を残し始める
離婚を有利に進めるためには、できる限り早い段階から証拠・記録を収集・保全することが重要です。
収集すべき証拠・記録の例は以下のとおりです。
- 不貞行為の証拠:ホテルへの出入りの写真・動画、ラブホテルの領収書、メッセージのスクリーンショット
- DVの証拠:身体的被害の写真(日時入り)、医療機関の診断書、暴力の録音・録画
- モラハラの証拠:暴言の録音、メッセージ履歴、日記(日時・内容を詳細に記録)
- 経済的問題の証拠:通帳・クレジット明細、生活費不払いの記録
証拠は配偶者に気づかれる前に安全な場所(配偶者がアクセスできない場所)に保管してください。
③専門家への相談で選択肢を知る
離婚は法律・財産・子どもなど多くの問題が絡み合う複雑な手続きです。
弁護士への早期相談が、自分の権利を守り、不利な条件での合意を防ぐ最大の手段となります。
相談先の選択肢は以下のとおりです。
- 弁護士:法的な権利・手続きの説明、交渉・調停・訴訟の代理(最も包括的なサポート)
- 法テラス(日本司法支援センター):収入が一定以下の場合、無料法律相談・弁護士費用の立替制度を利用可能
- 市区町村の無料法律相談:弁護士による無料相談(月1〜2回程度)
- 家庭裁判所の相談窓口:調停制度の利用方法についての案内
法テラスの詳細は日本司法支援センター(法テラス)公式サイトをご確認ください。
離婚理由に関するよくある質問
Q. セックスレスは離婚理由になりますか?
A: セックスレスは、単独では法定離婚事由には該当しませんが、長期間かつ一方が改善を拒否している場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当する可能性があります。協議・調停では離婚理由として合意の根拠になり得ます。
Q. 相手が離婚に応じない場合、どうすればよいですか?
A: まず家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう。調停でも合意できない場合は離婚訴訟を提起することになります。訴訟では法定離婚事由の立証が必要です。弁護士に依頼することで、調停での説得力ある主張が可能になります。
Q. 離婚理由が「性格の不一致」だと慰謝料はもらえませんか?
A: 純粋な「性格の不一致」だけでは慰謝料は発生しません。ただし、性格の不一致の背景にモラハラ・DV・浮気など相手の有責行為が含まれている場合は、有責行為の事実を理由として慰謝料を請求できます。弁護士に事実関係を整理してもらうことが重要です。
Q. 離婚後に慰謝料を請求できますか?
A: 原則として可能ですが、離婚成立から3年以内に請求する必要があります(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効:民法724条)。ただし、不貞行為を知った時点から3年という解釈もあるため、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
Q. 子どもがいると離婚できませんか?
A: 子どもがいても離婚は可能です。ただし、未成年の子どもがいる場合は親権者を決めなければ離婚届が受理されません。また、養育費・面会交流についても取り決めておくことが子どもの利益のために重要です。
まとめ|離婚理由を明確にして後悔しない選択を
この記事では、離婚理由に関する以下の重要なポイントを解説しました。
- 離婚理由の最多は「性格の不一致」(約35〜40%)で、男女ともに第1位。女性は精神的虐待・経済的問題、男性は不貞行為・性的不満が上位に入る傾向がある
- 協議・調停離婚では「性格の不一致」でも離婚できるが、裁判離婚では民法770条の法定離婚事由(不貞行為・悪意の遺棄・生死不明・強度の精神病・婚姻を継続し難い重大な事由)の立証が必要
- 慰謝料は有責行為(不貞・DV・モラハラ等)がある場合のみ発生し、純粋な性格の不一致では原則として請求できない
- 親権は離婚理由よりも「子どもの福祉」を基準に判断されるが、子どもへの直接的な有害行為は不利に働く
- 離婚を検討したら、早めに証拠収集と弁護士への相談を始めることが、自分の権利を守る最善の方法
離婚は人生の大きな転機です。感情だけで判断せず、法的な知識をもとに冷静に判断することが、後悔しない選択につながります。
「自分のケースで離婚できるのか」「有利な条件で離婚を進めるにはどうすればよいか」といった疑問は、弁護士への無料相談を活用して早期に解消することをお勧めします。
参考リンク:民法(e-Gov法令検索)


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