「離婚調停はどのくらいかかるの?」「仕事や生活への影響が心配…」そんな不安を抱えている方は多いでしょう。離婚調停の期間は、ケースによって2ヶ月で終わることもあれば、1年以上かかることもあります。この記事では、司法統計データをもとにした平均期間から、長引く原因・短期間で終わるケースの特徴、そして早く終わらせるための具体的なポイントまで徹底解説します。自分の状況に合った見通しを立てるための参考にしてください。
【結論】離婚調停の期間は平均7〜8ヶ月程度(6ヶ月以内に約6割が終了)|調停回数は2〜3回が最多

結論からお伝えすると、離婚調停にかかる平均期間は約7〜8ヶ月程度(司法統計では令和5年度に家事調停全体の平均審理期間が約7.6ヶ月)、調停の回数は2〜3回が最も多いケースです。
ただし、この7〜8ヶ月という数値はあくまで平均値であり、争点の数や双方の態度によって大きく前後します。
最短では2ヶ月以内に終わることもあれば、親権争いや複雑な財産分与がある場合は1年を超えることも珍しくありません。
まずは全体像を把握し、自分のケースがどのあたりに該当するかを考えてみましょう。
司法統計データから見る離婚調停の平均期間
最高裁判所の司法統計によると、夫婦関係調整調停(離婚)の審理期間は3ヶ月以内に終了するケースが全体の約3割、6ヶ月以内では約6割に達するとされています。
一方で、1年を超えるケースも全体の約10〜15%存在しており、決して珍しいものではありません。

統計データから見えてくるのは、「早期解決できるかどうかは争点の有無と双方の協力姿勢に大きく左右される」という事実です。
離婚条件についてすでに話し合いが進んでいるケースでは、3ヶ月以内に成立することも多いです。逆に、親権・財産分与・慰謝料が全て争点になるケースでは、半年〜1年以上かかるのが一般的です。
調停回数の目安と1回あたりの所要時間
離婚調停の期日(調停が行われる日)は、通常1〜2ヶ月に1回のペースで設定されます。
調停の回数は平均2〜3回程度ですが、争点が多いケースでは5回以上になることもあります。
1回の調停にかかる時間は、おおよそ2〜3時間程度が目安です。
調停の場では、申立人と相手方が別々の待合室で待機し、交互に調停室に入って調停委員(男女1名ずつ)と話し合いを行います。
双方が直接顔を合わせる場面は少ないため、感情的になりにくい設計になっています。
詳しい調停の流れや注意点は、以下の動画でも確認できます。
申立てから調停成立までの全体スケジュール
離婚調停の申立てから成立までの全体的な流れを把握しておくことで、先の見通しが立てやすくなります。

一般的なスケジュールは以下のとおりです。
- 申立て〜第1回期日:約1ヶ月|申立書・必要書類を家庭裁判所に提出後、第1回期日が指定されるまで約1ヶ月かかります。
- 第1回〜第2回期日:約1〜2ヶ月|第1回の話し合いの結果を踏まえ、次の期日が設定されます。
- 第2回〜第3回期日(またはそれ以降):約1〜2ヶ月ごと|争点が絞れてきたら合意に向けた最終調整が行われます。
- 調停成立または不成立の確認:最終期日に決定|双方が合意に達すると調停調書が作成され、調停離婚が成立します。
申立てから成立まで、スムーズなケースで2〜3ヶ月、平均的なケースで4〜6ヶ月、複雑なケースでは1年以上が目安です。
離婚調停の期間が長引く5つの原因

離婚調停が長引く主な原因を理解しておくことは、自分のケースを客観的に見つめるうえで非常に重要です。
以下の5つの原因に当てはまる項目が多いほど、調停期間が長くなるリスクが高まります。
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原因①:争点が多い(親権・財産分与・慰謝料の複合)
離婚調停では、親権・財産分与・慰謝料・養育費・面会交流など、複数の問題を同時に話し合うことがあります。
争点が1つであれば話し合いも集中できますが、複数の争点が絡み合うと各期日の内容が分散し、1つひとつの解決に時間がかかるのが実態です。
特に親権と財産分与が同時に争点になるケースでは、双方が感情的になりやすく、調停が長期化する傾向があります。
争点が多い場合でも、優先順位を明確にして「まずこの問題から解決する」というアプローチを取ることが、期間短縮への近道となっています。
原因②:財産分与の対象が複雑(不動産・退職金・株式など)
財産分与の対象が不動産・退職金・株式・投資信託・事業資産など多岐にわたる場合、各資産の評価額の算定に時間がかかります。
特に不動産の評価は不動産鑑定士の意見書が必要になるケースもあり、その取得だけで数ヶ月かかることがあります。
退職金は「将来受け取るもの」であるため、計算方法や分与割合について双方の主張が対立しやすく、合意に達するまでに複数の期日を要することが多いです。
財産が複雑な場合は、早い段階で弁護士に相談し、財産リストを整理しておくことが長期化防止の鍵となります。
原因③:相手方が非協力的・調停に欠席を繰り返す
相手方が調停に出席しない場合、その期日は実質的に意味をなさず、次の期日まで1〜2ヶ月間を無駄にしてしまいます。
正当な理由なく欠席が続く場合、裁判所から5万円以下の過料(罰則)が科せられることがありますが、それでも出席しない相手方も存在します。
相手方の欠席が2回以上続く場合、調停は「不成立」として終了し、離婚裁判(訴訟)に移行することになります。
相手方が非協力的なケースでは、調停での解決に固執せず、早期に弁護士に相談して次の手を検討することが重要です。
原因④:感情的対立が激しく冷静な話し合いができない
離婚は人生の一大事であり、感情が高ぶるのは自然なことです。しかし、感情的な主張は調停委員に対して逆効果になることがあります。
「相手への怒り」や「過去の出来事への不満」を繰り返し述べても、調停委員は事実と条件の整理に集中するため、話し合いが前進しません。
感情的対立が激しいケースでは1回の期日で進展がほぼなく、次の期日に持ち越しになることが繰り返され、調停全体が長期化します。
感情をコントロールするためにも、調停前にカウンセラーや弁護士に相談し、話し合いの方向性を事前に整理しておくことが重要です。
原因⑤:証拠や書類の準備不足で期日が延期になる
調停では、主張を裏付ける書類(通帳のコピー、固定資産評価証明書、給与明細など)が必要になる場面が多くあります。
必要書類が揃っていない場合、「次回までに準備してください」と指示を受け、期日が1〜2ヶ月先に延びるケースも少なくありません。
準備不足による期日の延期は完全に防げるものであり、事前にしっかりと書類を整えておくことが調停期間の短縮に直結します。
必要書類の一覧は家庭裁判所の公式サイト(裁判所ウェブサイト)で確認できます。
離婚調停が短期間で終わるケースの特徴

一方、離婚調停が比較的短期間(2〜4ヶ月程度)で終わるケースにも共通した特徴があります。
以下の特徴に多く当てはまる場合は、早期解決を目指しやすい状況と言えるでしょう。
特徴①:離婚条件について事前に合意ができている
調停前の段階で、すでに「離婚すること自体」「親権の帰属」「養育費の金額」などについて、双方がある程度合意できているケースがあります。この場合、調停は確認・書面化の場として機能し、短期間で終わることが多いです。
「協議離婚は成立しなかったが、条件の大枠は合意できている」というケースでは、調停を1〜2回で終わらせることも可能です。
事前に弁護士を介して条件の骨子をまとめておくと、調停がよりスムーズに進みます。
特徴②:争点が1〜2つに絞られている
「親権のみ」「財産分与のみ」というように争点が絞られているケースでは、調停委員も論点を集中して扱えます。争点が多い場合と比べて、解決が早まりやすい傾向があります。
「離婚はするが、財産分与の方法だけで揉めている」といった状況では、2〜3回の期日で合意に至ることも珍しくありません。
調停を申し立てる前に、「本当に争う必要がある点はどこか」を冷静に整理することが大切です。
特徴③:双方が冷静に話し合いに臨んでいる
双方が感情ではなく事実と条件に基づいて話し合える状態では、調停委員のアドバイスも受け入れられやすくなります。結果として、合意形成が速まります。
「離婚という結論には同意しているが、手続きの方法として調停を選んだ」というケースは、特に短期間で終わりやすいです。
調停に臨む際は、「感情を吐き出す場ではなく、条件を決める場」と割り切ることで、自分自身の話し合いの効率が上がります。
初回期日前の準備や心構えについては、以下の動画も参考にしてみてください。
【ケース別】離婚調停の期間シミュレーション

ここでは代表的な4つのケースを想定し、それぞれの期間目安をシミュレーションします。
自分の状況に近いケースを参考に、今後のスケジュールの見通しを立ててください。

争点が少なく双方合意に近い場合(2〜3ヶ月)
【想定ケース】子どもはなし。財産はほぼなく、離婚すること自体には双方同意。慰謝料の金額だけが未決定。
子どもなし・慰謝料のみが争点のケースでは、調停の回数は2〜3回程度、期間は2〜3ヶ月が目安です。
- 第1回期日(申立て1ヶ月後):双方の主張を確認
- 第2回期日(第1回の1〜2ヶ月後):慰謝料の金額について詰める
- 第3回期日または第2回で合意成立:調停調書作成・成立
合意できる範囲を事前に書面でまとめておくと、さらに短縮できる可能性があります。
親権争いがある場合(6ヶ月〜1年)
【想定ケース】子どもが1人(未就学児)。双方が親権を主張して譲らない。
親権争いがある場合、家庭裁判所調査官による調査(子どもの生活環境・養育能力の調査)が必要になることが多く、家庭裁判所調査官による調査だけで2〜3ヶ月かかります。
調査結果を踏まえた期日が複数回設定されるため、全体の期間は6ヶ月〜1年程度になることが多いです。
調停で合意に至らない場合は、審判手続きに移行し、裁判官が親権者を決定します。審判に移行した場合、さらに数ヶ月かかることがあります。
財産分与が複雑な場合(6ヶ月〜1年超)
【想定ケース】共有名義の不動産あり、双方に退職金あり、一方が株式・投資信託を保有。
不動産の評価額算定・ローン残高の確認・退職金の計算方法の協議など、各資産について個別に合意が必要なため、期間が長くなります。
場合によっては不動産鑑定士の意見書取得(2〜4ヶ月)も必要になり、全体では6ヶ月〜1年超になることも珍しくありません。
財産リストを早期に作成し、弁護士と連携しながら評価額の計算を進めることが、期間短縮の重要な対策です。
相手が非協力的で不成立になる場合
相手が調停に出席しない・出席しても合意を拒否し続けるケースでは、調停は「不成立」として終了します。
不成立になるまでに2〜4回の期日(3〜6ヶ月)を費やし、調停不成立後は離婚訴訟(裁判)への移行が必要となります。
離婚訴訟はさらに1年〜2年かかることが多く、調停期間と合わせると解決まで相当の時間を要します。
詳しくは[こちらの動画](https://www.youtube.com/watch?v=55sx8YVCRNk)で、調停から裁判に至る期間の目安を解説しています。
相手が非協力的と判断した早い段階で弁護士に相談し、調停不成立後の戦略を立てておくことが重要です。
離婚調停を早く終わらせるための5つのポイント

離婚調停は、準備と姿勢次第で期間を大きく短縮できます。以下の5つのポイントを意識することで、よりスムーズな解決が見込めます。

ポイント①:争点を絞り優先順位を明確にしておく
調停に臨む前に、「絶対に譲れない点」「ある程度妥協できる点」「どちらでもいい点」を自分の中で整理しておきましょう。
全ての争点に対して強硬な姿勢を取ると、話し合いが進まず調停が長期化します。
たとえば「親権だけは絶対に譲れないが、財産分与は多少不利でも早期解決を優先する」というように、優先順位を決めることで交渉の余地が生まれ、合意に達しやすい状況となります。
ポイント②:必要書類を初回期日までに揃える
調停でよく使われる書類には以下のようなものがあります。事前に揃えておくことで、期日の延期を防げます。
- 戸籍謄本・住民票
- 収入を証明するもの(給与明細・源泉徴収票)
- 財産目録(預金通帳コピー・不動産登記簿・車検証など)
- 年金分割のための情報通知書
- 子どもの学校関連書類(親権主張時)
書類の取得に時間がかかるものは申立て前から準備を始めることを強くおすすめします。
ポイント③:感情的にならず事実ベースで主張する
調停委員は中立の立場であり、感情的な訴えよりも客観的な事実と根拠のある主張を重視します。
「相手がひどいことをした」という感情的な主張を繰り返すよりも、「○月○日に●●の事実があり、証拠として△△があります」という形で話を進めましょう。
感情的な対応は調停委員への印象を悪化させるリスクもあるため、冷静な姿勢を保つことが、自分にとって有利に働きます。
ポイント④:調停委員の提案には柔軟に対応する
調停委員は豊富な経験を持つ専門家であり、調停委員の提案は一般的な解決策に基づいています。
調停委員からの提案を頭ごなしに拒否するのではなく、「なぜ調停委員からその提案がなされたのか」を理解したうえで、受け入れられる部分は柔軟に対応することが重要です。
「少し条件が不利でも早期に解決することで得られるメリット(精神的・経済的な負担の軽減)」を考慮し、長期化と天秤にかけて判断しましょう。
ポイント⑤:弁護士に相談して戦略を立てる
離婚調停は弁護士なしでも申し立てられますが、弁護士が同席することで主張の整理・書類準備・調停委員への印象向上など多くのメリットがあります。
特に相手に弁護士がついている場合は、こちらも弁護士を立てることで、情報量・交渉力の不均衡を防げます。
「弁護士費用が心配」という方は、法テラス(日本司法支援センター)の審査を通じて費用立替制度を利用できる場合があります。
調停を有利に進めるためのポイントについては、以下の動画も参考にしてみてください。
離婚調停の期間に関するよくある質問

Q. 離婚調停は最短どのくらいで終わりますか?
A: 双方の合意が整っており、争点がほぼない場合は2〜3ヶ月(2回の期日)で終わることがあります。ただし申立て後の第1回期日まで約1ヶ月かかるため、申立てから成立まで最短でも2ヶ月程度は見込んでおきましょう。
Q. 離婚調停が1年以上かかることはありますか?
A: はい、あります。親権争い・複雑な財産分与・相手方の非協力などが重なった場合、1年以上かかることは珍しくありません。司法統計でも全体の約10〜15%のケースが1年超となっています。長期化が予想される場合は早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
Q. 調停不成立になったらどうなりますか?
A: 調停が不成立になった場合、離婚裁判(訴訟)に移行することになります。裁判では裁判官が証拠をもとに判断するため、さらに1年〜2年かかることが多いです。民法第770条に規定された離婚事由(不貞行為・悪意の遺棄など)がない場合、裁判での離婚認容は難しくなります。
Q. 弁護士をつけると期間は短くなりますか?
A: 必ずしも短くなるとは限りませんが、主張の整理・書類準備・感情的対立の抑制など、期間短縮につながる要素が多くあります。相手に弁護士がついている場合は、特にこちらも弁護士を立てることで対等な交渉が可能になります。
まとめ:離婚調停の期間を把握して見通しを立てよう

この記事では、離婚調停の期間について平均データから長引くケース・短期間で終わるケースの特徴まで幅広く解説しました。
最後に要点を整理します。
- 平均期間は3〜6ヶ月、調停回数は2〜3回が目安だが、ケースによって大きく異なる
- 長引く主な原因は争点の多さ・財産の複雑さ・相手の非協力・感情的対立・書類準備不足の5つ
- 早く終わらせるには争点の整理・書類の事前準備・冷静な対応・調停委員への柔軟な姿勢・弁護士への相談が有効
- 調停不成立になった場合は離婚裁判に移行し、さらに1〜2年かかる可能性がある
- 費用面が不安な方は法テラスの費用立替制度を活用しよう
離婚調停は精神的・時間的に負担の大きいプロセスです。しかし、事前の準備と正しい知識があれば、必要以上に長引かせないことは十分可能です。
まずは弁護士や法テラスへの無料相談を活用し、自分のケースに合った見通しと戦略を立てることから始めましょう。


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