『離婚の割合は本当に3組に1組なのか』『自分の年代や結婚年数だと多いのか』と気になっていませんか。離婚は感覚的なイメージだけで語られやすいテーマですが、実際は計算方法や統計の見方で印象が大きく変わります。この記事では、日本の最新データをもとに、年代別・結婚年数別・原因別・地域別の傾向まで、誤解しやすいポイントを整理しながらわかりやすく解説します。
【結論】日本の離婚割合は約35%|「3組に1組」の真実

結論から言うと、よく聞く『3組に1組が離婚』は完全な間違いではないものの、正確には同じ年の婚姻件数に対する離婚件数の比率を見たものです。2024年ベースでは婚姻約48.5万件、離婚約18.6万件で、単純比では約38.3%になり、体感としては『3組に1組前後』と表現されます。 ただし、公的な『離婚率』は人口1000人あたりの離婚件数で、2024年は1.55です。 生命保険文化センター
2024年発表の最新データ|婚姻件数と離婚件数
2026年時点で参照しやすい直近の年間データでは、2024年の婚姻件数は48万5,092件、離婚件数は18万5,904件です。 これをそのまま割ると約38.3%で、ニュースや解説記事で『3組に1組』と表現される根拠になります。 ただし、この数値は『その年に結婚した夫婦のうち何割が離婚したか』ではありません。 生命保険文化センター
指標2024年婚姻件数48万5,063件離婚件数18万5,895件単純比約38.3%人口千対離婚率1.55
「3組に1組が離婚」は本当?誤解されやすい計算方法
『3組に1組』が誤解されやすいのは、離婚した夫婦と結婚した夫婦の母集団が同じではないためです。 2024年に離婚した夫婦の多くは、2024年に結婚した夫婦ではなく、数年前や十数年前に結婚した夫婦です。 そのため、単純比は『離婚の規模感』を見る指標としては有効でも、『結婚した夫婦が将来離婚する確率』を直接示す数字ではありません。 e-Stat
単純比=その年の離婚件数÷その年の婚姻件数公的離婚率=人口1000人あたりの離婚件数本当に知りたいのは『どの年代・どの婚姻期間で離婚が多いか』
年代別に見る離婚の割合|あなたの年代はどのくらい?

年代別にみると、離婚率の山は20代後半から30代前半にあります。 その後は40代、50代と緩やかに下がりますが、60代以降でもゼロにはなりません。 つまり、日本の離婚は若年層だけの話ではなく、子育て期と老後準備期の両方に山があるのが特徴です。 生命保険文化センター
20代・30代の離婚割合と特徴
20代・30代は離婚率が最も高い層です。2024年の離婚率(人口千対)は、夫では25〜29歳が5.31、30〜34歳が6.43、妻では25〜29歳が6.97、30〜34歳が7.57で、男女とも30〜34歳がピークです。 交際から結婚までの期間が短いこと、収入や働き方が安定しにくいこと、育児負担が一気に集中しやすいことが背景にあります。
40代・50代の離婚割合と熟年離婚の実態
40代・50代は30代より率は下がるものの、件数としては無視できません。 2024年の離婚率(人口千対)は、夫40〜44歳が4.92、45〜49歳が4.01、50〜54歳が3.09、妻40〜44歳が5.01、45〜49歳が3.96、50〜54歳が2.84です。 子育ての一区切り、家計負担の長期化、会話不足の蓄積が表面化しやすく、ここから熟年離婚の入口に入る夫婦も少なくありません。
60代以上の離婚割合|シニア世代の傾向
60代以上は若年層より率は低いですが、定年後の生活を前に離婚を決断するケースがあります。 2024年の離婚率(人口千対)は、夫60〜64歳1.67、65〜69歳1.03、70〜74歳0.68、75〜79歳0.49、80歳以上0.25、妻60〜64歳1.11、65〜69歳0.64、70〜74歳0.39、75〜79歳0.27、80歳以上0.08です。 数字自体は高くなくても、婚姻期間が長いぶん資産分与や年金分割などの論点が重くなりやすいのが特徴です。
結婚年数別の離婚割合|離婚しやすい時期はいつ?

結婚年数でみると、最も多いのは結婚5年未満の早期離婚です。 一方で、件数の次の山として大きいのが同居20年以上の熟年離婚です。 つまり、離婚は『結婚直後に急増する時期』と『長年の蓄積が表面化する時期』の二極化が進んでいます。 e-Stat
結婚1〜5年目の離婚割合
結婚1〜5年目は離婚件数が最も多いゾーンです。 結婚前には見えにくかった金銭感覚の違い、家事分担、義実家との距離感、出産後の役割変化が短期間で一気に噴き出しやすいためです。 特に1〜3年目は『価値観のすり合わせ不足』がそのまま離婚理由になりやすく、早期離婚の中心になっています。 e-Stat
結婚5〜10年目の離婚割合
結婚5〜10年目は、件数のピークこそ5年未満に及ばないものの、離婚が続きやすい時期です。 子どもの成長に伴う教育費、住宅ローン、仕事と育児の両立疲れが重なり、夫婦関係より生活運営が優先されやすくなります。 表面上は安定して見えても、会話の減少や役割の固定化が関係悪化を深める典型的な時期です。 e-Stat
結婚10年以上の離婚割合|熟年離婚が増加する背景
結婚10年以上では、特に20年以上の離婚割合が長期的に上昇しています。 厚生労働省ベースでは、同居20年以上の離婚は2020年に全体の21.5%でした。 さらに2022年には離婚総数に占める熟年離婚の割合が23.5%と伝えられており、離婚総数が減るなかでも熟年層の存在感は強まっています。 厚生労働省
子供の有無と離婚割合の関係

子どもの有無については、全国一律の『子あり夫婦の離婚率』『子なし夫婦の離婚率』を単純比較できる公表値は限られます。 ただし、離婚総数の内訳や親権の分析を見ると、子どもの存在が離婚のタイミングや手続きに大きく影響していることは明らかです。 ここでは『離婚した夫婦の中での構成』として見るのが正確です。 厚生労働省
子供がいる夫婦の離婚割合
2020年の離婚総数19万3,253組のうち、未成年の子どもに関する親権を伴う『子あり』の離婚は11万1,335組で、全体の約57.6%でした。 子どもがいる夫婦では、親権、養育費、面会交流、転校や住居の問題まで一気に検討事項が増えるため、離婚までに時間をかける一方、別居後は早めに手続きを進める傾向も見られます。 厚生労働省
子供がいない夫婦の離婚割合
同じ2020年には、『子なし』の離婚が8万1,918組で、全体の約42.4%でした。 子どもがいない場合は親権や面会交流の論点がないため、夫婦関係そのものに焦点を当てて判断しやすく、話し合いがまとまれば比較的短期で成立しやすい面があります。 ただし、割合が低いから関係が良好という意味ではなく、母集団の違いを踏まえて読むことが大切です。 厚生労働省
離婚原因の割合ランキング|男女別TOP5

離婚原因は男女で共通点もありますが、重みづけがやや異なります。 共通して最上位にあるのは『性格の不一致』で、その次に精神的虐待や異性関係、経済面、性的な不調和が続きます。 つまり、離婚は一つの大事件で突然起きるより、日常のすれ違いが積み上がって起きるケースが多いといえます。
男性が申し立てる離婚理由TOP5
2024年の夫申立人の上位5動機は、性格が合わない59.97%、精神的に虐待する21.81%、異性関係11.82%、浪費する11.46%、家族親族と折り合いが悪い11.04%です。
男性側では『性格の不一致』が突出し、次いで精神的虐待が続きます。 女性側の異性関係や生活費不払いほど外形的な理由より、会話の断絶や居心地の悪さなど、関係の継続困難を示す理由が前面に出やすいのが特徴です。
女性が申し立てる離婚理由TOP5
2024年の妻申立人の上位5動機は、性格が合わない38.35%、生活費を渡さない28.96%、精神的に虐待する26.23%、暴力を振るう17.87%、異性関係13.35%です。
女性側では、性格の不一致に加えて精神的虐待、異性関係、暴力が上位に入りやすいのが特徴です。 感情的な負担や安全面の問題が可視化されやすく、単なるすれ違いではなく『このままでは生活が難しい』という判断に至っているケースが多いと考えられます。
統計に現れない「本当の離婚原因」とは
統計に出る理由は一つでも、実際には複数の問題が絡んでいることがほとんどです。 たとえば『性格の不一致』の中には、家事育児の偏り、収入不安、義実家ストレス、セックスレス、感謝の欠如などがまとめて含まれます。 そのため、表面的な順位だけでなく、『何が継続的な不満になったのか』まで読むことが大切です。
都道府県別の離婚割合ランキング

地域別にみると、離婚率にははっきり差があります。 高い地域は沖縄、九州、都市部の一部が目立ち、低い地域は北陸や日本海側の県が並ぶ傾向があります。 ただし、地域差は県民性だけでは説明できず、人口構成、若年婚の多さ、所得水準、就業構造など複数要因の重なりで生まれます。 厚生労働省
離婚率が高い都道府県TOP5
2024年の離婚率上位5県は、沖縄県2.24、大阪府1.79、福岡県1.79、北海道1.76、宮崎県1.74です。
上位を見ると、沖縄県が2.20で突出しています。 そのほか宮崎県、北海道、大阪府、福岡県が続き、若い人口構成や都市部特有の流動性、家計の不安定さが重なる地域ほど高く出やすい傾向があります。 厚生労働省
離婚率が低い都道府県TOP5
2024年の離婚率下位5県は、富山県1.13、秋田県1.17、山形県1.18、新潟県1.19、石川県1.26です。
下位には山形県、富山県、石川県、福井県、新潟県が並びました。 北陸や日本海側の県は、相対的に低い離婚率を示す年が多く、安定した雇用構造や地域内ネットワークの強さが背景として指摘されやすい地域です。 厚生労働省
地域差が生まれる要因とは
地域差の主因は、結婚年齢、出生年齢、若年人口の厚み、非正規雇用比率、転入転出の多さなどです。 離婚率は価値観だけでなく、家計の脆弱性や支援ネットワークの有無に左右されます。 そのため『離婚率が高い県=家庭観が弱い』のような単純化は避けるべきです。
日本の離婚割合を世界と比較|国際ランキング

主要国比較でみると、日本の離婚率は極端に高い国ではありません。 国際比較では、各国で参照年が異なるため、同一年のランキングとして単純比較しないほうが正確です。OECD資料でも『2022年または最新年』としており、日本は2020年値、英国も2020年値、米国は2021年値など年次が混在します。
主要国の離婚率ランキング
順位国離婚率1アメリカ2.42スウェーデン2.023フランス1.934韓国1.85シンガポール1.76日本1.557ドイツ1.538イタリア1.409イギリス1.33
日本の離婚率は高い?低い?国際的な位置づけ
日本は『離婚が急増している国』というより、中位グループに位置する国です。 国内では『3組に1組』の印象が強くても、国際比較でみると特別に高いわけではありません。 ただし、婚姻件数の減少が続くなかで離婚件数の存在感が目立ちやすく、体感的には高く見えやすい点に注意が必要です。
離婚率の推移|過去30年でどう変化した?

過去30年でみると、日本の離婚は1990年代に増加し、2002年ごろにピークを迎え、その後は長期的に減少しています。 ただし、総数が減っても熟年離婚の割合は上がっており、離婚の中身が変化しているのが重要なポイントです。 『離婚が増えたか』だけでなく、『どの層で増えたか』を見る必要があります。 厚生労働省
1990年代〜2020年代の離婚件数推移
離婚件数は1990年代から増え続け、2002年には約29万組でピークに達しました。 その後は減少基調が続き、2020年は約19.3万組まで低下しています。 近年は2023年から2024年にかけて微増が見られるものの、長期トレンドとしてはピーク時よりかなり低い水準です。 生命保険文化センター
離婚が増減した社会的背景
増加局面では、女性の就業拡大、離婚への心理的ハードルの低下、協議離婚の一般化が追い風になりました。 一方、減少局面では高齢化により離婚率が相対的に低い年齢層の比重が増えたことが影響しています。 つまり、日本の離婚は価値観だけでなく人口構成の変化にも強く左右されています。 厚生労働省
離婚を考え始めた方へ|次のステップと相談窓口

離婚率の数字を知ることは大切ですが、実際に重要なのは『自分の状況で何を先に整理するか』です。 感情だけで動くと、財産分与、親権、養育費、住まい、仕事の継続で不利になりやすくなります。 離婚を考え始めた段階ほど、情報整理と相談先の確保を先に進めるのが得策です。
離婚前に確認したい3つのチェックポイント
家計の確認として、預貯金、保険、ローン、年金、生活費を一覧化する子どもがいる場合は、親権、養育費、面会交流、住民票や転校の段取りを考える証拠の整理として、通帳、給与明細、やり取り、暴力や不貞の記録を保存する
無料で相談できる窓口一覧
自治体の法律相談家庭裁判所の手続案内法テラスの情報提供男女共同参画センターの相談窓口DVや虐待がある場合の専門相談
統計を確認したい場合は、厚生労働省の『離婚に関する統計』とe-Statの同居期間別統計が出発点になります。 数字を見たうえで、自分の事情に引き直して相談することで、離婚するか修復するかの判断精度が上がります。 厚生労働省 e-Stat
まとめ
『3組に1組』は単純比であり、公的な離婚率1.55とは意味が違う離婚は30代前半と結婚5年未満で多いが、20年以上の熟年離婚も増えている子どもの有無、婚姻期間、地域差を合わせて見ると実態がわかりやすい原因の中心は性格の不一致だが、実際は家計、育児、感情の蓄積が絡み合う離婚を考えたら、感情より先に家計と子どもと証拠を整理することが重要


コメント